古代エトゥルスキ文明の栄えた街VOLTERRA
3000年の歴史の街、ヴォルテッラ
映画「NEW MOON」の撮影場所となった近年は、若者にも人気スポットになっています!
ヴィッラノヴィアーノ(先史)時代から人が住み、エトルリア時代には豊富な鉱物資源を背景に中部イタリアで最も栄えた国の一つになり、ローマ時代~中世~ルネッサンスの遺産を今も数多く残し、1800年~1900年代初頭、アラバスター工芸品の輸出で世界に進出した街、ヴォルテッラ。 現在の主要な交通網からは外れているため、陸の孤島のようになってしまいましたが、3000年間都市として栄えた、そして現在でも小さいながらもちゃんと町としての機能も果たしている所です。 交通の便の悪さから、日本人の方はほとんどいらっしゃいませんが、自家用車やレンタカーで旅行する欧米の方の間ではトスカーナの中でも人気の街です。
遠くにサン・ジミニャーノを望んだりしながらのドライブを続けると、やがてこのような風景の中にいます。日本ではまず見かけない「乾燥しすぎず乾燥している 丘陵地帯、時々羊の群れも寝そべっています。
フィレンツェから約1時間半、ヴォルテッラの「自由のための殉教者」広場に着きます。
そこから、このような街の風景と、今まで走ってきた丘陵地帯が足元に広がる風景が望めます。
印象的な形の建物は、13世紀に建設された大聖堂前に立つ八角形の洗礼堂です。
ご覧の様に、街の中はほとんどがこのベージュ色の石造りで、まるで映画のセットの中にいるか、タイムスリップした気分になります。
それで、まさにここをセットとして使った映画が、世界中のティーンを夢中にさせたかっこいい吸血鬼、エドワード君の「トワイライト」シリーズの「ニュームーン」・・・私は見ていないのですが、うちの娘が詳しく語ってくれました!
この門のアーチ部分(大きいブロック部分)はなんと、エトルリア時代の2500年ほど前に造られたものなんです!
それを補強、補修しながらヴォルテッラの人達が守り抜いて今もこうして私達のまえに建っている!この石を触るたびに、この歴史の大きさに圧倒されます。
紀元後3世紀には温泉施設も造られました。
長い間忘れ去られて埋まっていたものを1950年代に発掘されました。
ここで見つかったものの多くは、グアルナッチ考古学博物館に収められています。
中世の建築物では、12世紀~13世紀に建てられた大聖堂や、13世紀半ばに建設されたプリオーリ宮殿があります。プリオーリ宮殿は、その後に建築された多くの市庁舎宮殿のモデルとなったものです。
現在は、刑務所として使われています。
中で一番有名なのが、ロッソ・フィオレンティーの「十字架降下」です。
多くの人物を配色や位置、ポーズによって十字架を中心にして見事にまとめ上げています。
その名のとおり、ヴォルテッラで見つかったエトルリア文明の遺物を中心に、その前の時代、ヴィッラノヴィアーノ(先史)時代、それからローマ時代のものが展示されています。
特にエトルリアの骨壷の数がスゴイ!です。
骨壷といっても、電子レンジを少し大きくしたくらいの大きさで、とても装飾性があり、その装飾のテーマごとに展示されています。 そして蓋が人の形をしたものがほとんどで、これが味があります。
中で一番味があるのが、このご夫婦の蓋。
顔にリアルにしわの刻まれた、良いお年のご夫婦。奥さんが旦那さんを見つめているんです!紀元前一世紀のものなのにですよ!!
きっと先に亡くなった愛するだんな様を思って、作らせたのでは・・などと思いをはせてしまいます。
その他にも、詩人のダヌンツィオによって、「夕暮れの影」という題がつけられた、紀元前3世紀のブロンズ彫刻は、まるで現代彫刻のような面白さ、美しさです。
さて、そろそろお土産をみにいきましょうか。 ヴォルテッラ名物は、ずばりアラバスターです!
石なのですが、まるで大理石のようなもの、透明感があり中世にはガラスの代わりに使われていたもの、琥珀のような色合いのもの、グレー系のもの等があり、大きな壺のようなものから、小さなアクセサリーまで、さまざまなものが作られています。
またアラバスターの博物館もあるんですよ。
1800年代にヴォルテッラで作られた芸術品の大作は、フィレンツェのピッティ宮殿の近代絵画館内にも多く展示されています。
いかがですか、ご一緒にヴォルテッラを訪ねてみませんか?
きっと他にはない、見た事、感じた事のないものがみつかるとおもいますよ!
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