Stampe d'Arte L'Ippogrifo (スタンペ ダルテ リッポグリッフォ):エッチング技術で描いたアートのお店
アルノ川左岸地区の職人街にある小さなエッチングスタンプのお店。
イタリア語ではacqua forte(強い水)と呼ばれる銅板エッチング技術は、印刷の始まりとしてヨーロッパ各地で1500年代から使用されていたテクニックの一つです。メディチ家のお抱え芸術家であるヴァザーリもこの技術の事を文献に記しているほど。
ショップ情報
住所:Via Santo Spirito, 5r 50125 Firenze Italy
tel.-Fax: (+39) 055 213255
ショップサイト:https://www.ippogrifostampedarte.com/
お店のご紹介
このお店のマエストロ(職人長)である raffaelli gianni(ラッファエッリ ジャンニ)氏は、
1952年のフィレンツェの下町サンフレディアーノ地区に生まれた生粋のフィレンツェっ子です。
フィレンツェの一流の美術専修学校であるacademia delle belle arteを卒業し、
アーティストへの道へと進んだ彼は、1976年にこのお店をオープンさせました。
工房兼お店となっているこの小さな空間は、彼の過去の作品がとても規則正しく並べられてあり、
またその作品の中で囲まれるように、いつもコツコツを自分の仕事を続けるジャンニ氏の姿を見る事ができます。
上の写真は、大判のフィレンツェのアルノ川の様子(特にヴェッキオ橋が見えています)の銅板エッチングの型です。
この様に、実際にどうやってこのアートを作っているのかを彼自身が説明してくれます!
作品例:お店の中には沢山の種類のエッチングアートがかかっていますが、
やはり人気なのは(観光客に)この写真の様なフィレンツェの街並みが表わされている風景画です。
その他にも動物、植物をモチーフとした物から、モダンアートの様なデザインまで豊富にそろっています。
エッチングアートは、ここで作られた物は一枚一枚に番号が付けられていて、
200枚刷られたうちの20番目という風に管理されているのです。 。
元建築家というジャンニ氏のフィレンツェの風景画は、ドゥオーモやヴェッキオ宮殿が、本当に正確に書かれていてその几帳面さを伺う事ができますね!
エッチング(銅板レリーフ)の行程
水彩画や油絵と違ってこのエッチングの作業は、大変複雑な物です。、
まずは銅板に下絵のデザインを下書きする作業。
写真等を見ながら、正確に精密に反転した絵を銅板に彫りこんでいきます。
出来上がったらインクをまんべんなく伸ばして、チョークの粉を上にまぶしてから、
水を含んだ紙にスタンプしていきます。
さらにそこから2日間乾かしてから、最終的に一枚一枚に色付けしていくという作業です!
この銅板を作るのが一番大切な作業です!
銅板に正確にデザインを彫りこんでいく作業は、このエッチングアートの要といってもいいでしょう!
特にこれだけフィレンツェの大きいサイズの銅板は失敗が許されません!
彼自身が殆ど手がけているハンドメイドの極致といっても過言ではありません。
彫るー版画ー色を付けるといった長い工程を経てやっと一枚の芸術が出来上がるのです!
この工房では、オリジナルの直筆を入れたカード等もオーダーで作ることができるので、
貴方自身のサイン入りの送り状等を作成する事もできます!
ヴェッキオ橋から一つ目の橋であるサンタトリニタ橋を越えてアルノ川沿いを一本入った小道サントスピリト通りは、
美味しいトラットリアが並ぶ食の大競合地帯でもあります。
このお店は外から見るととても間口は狭いですが奥行きがあって、入るととってもアットホームな感じです。
よくあるゴチャゴチャした汚めの工房とは違ってすごく清潔感があり入り易いお店です。
お値段的にもそれ程高価ではなくお買い求めやすいプライス設定なのは有難いですね!