世界遺産ベネチアが水の下に沈む日は近い!?

2019年11月メールマガジン

 

Buon Giorno!
ボンジョルノ!
おはようございます!

 

フィレンツェ観光ガイドサービス& 
ブライダルフローレンス(海外挙式プランナー)

代表 片庭未芽(カタニワミメ)です。

今日も開封していただき、誠に有難うございます。

 

 

 

11月に入り,イタリアは
毎日のように雨が降り,
気温もかなり下がり, 1年で1番寂しい月になっています。

 

 

日本と違いイタリアには
梅雨がありませんが,
夏にほとんど雨が降らない変わり,
この11月はイタリア全土で雨の多い月です。

 

 

しかし毎年降水量はかなり増えていて,
この時期イタリア全土で洪水や高潮,
さらに暴風の被害が多くなっています。

 

 

世界的に温暖化の現象だと言われていますが,
特に日本でも,ここ数日のベネチアの非常事態宣言や
高潮の浸水被害がニュースに取り上げられていると聞きました。

 

イタリアでももちろん、
トップニュースになっています。

 

 

昨日11月15日に
約50年ぶりの高潮により
異例の非常事態宣言が出された古都ベネチア。

 

 

ユネスコの世界遺産にも登録されている
ベネチアでは,教会や宮殿やお店、
住宅が浸水し被害総額は数億ユーロとみられています。

 

 

特に今日はベネチアの1番の
観光スポットと言われる
サンマルコ広場全体が閉鎖となり,
素晴らしいサンマルコ寺院も
かなりの被害を受けていると言うニュースです。

 

 

今日はそのベネチアの街の現状について
お話ししたいと思います。

 

 

ベネチアの街は
イタリア北部アドリア海に面した
「埋立地」として建設された海上都市。

そこでよくお客様から質問があるのが,

「ベネチアは木の杭の上に建てられた街なのに
どうして沈まないんですか?」

 

 

この質問に答えるには,まず

「どうやって海の中に土台を作るんでしょうか?」

 

 

海の中にレンガで防水壁を作る
その壁の中に高さ4メートル、

直径20センチのオーク材やカラマツの杭を打ち込んでいく
1平米あたり9本の杭が打たれ,

3本の杭が3列並び,

深さ4メートルの海底の40%が、

で埋め尽くされる

その上に針として

カラマツ材が二層置かれる

 

さらにその上に

セメントが3メートル程度流され床が作られる。

 

 

このようにして1000年以上を耐え続けてきた土台が完成したのです。

 

 

もちろんベネチアだけではありません。

アムステルダムのオランダ宮殿も,
沼地の上に建築されたので,
地盤の補強に太い木の柱が一万3000本も
打ち込められてその上に建てられた石造建築です。

 

 

 

「木は水中では腐らない。
ローマ軍が橋建設の土台に木を使った」

と作家塩野七海さんも「ローマ人の物語」の中で記述されています。

 

 

そんな素晴らしい技術で
建築されたベネチアの街も,
「木の杭では沈まないが,
温暖化現象と汚職でもうすぐ沈むかもしれない!?」
と言う危機にさらされています。。。。

 

 

「Acqua Altaアックア アルタ =高い水」
と言う意味のイタリア語ですが
満潮(Alta Marea)と区別して,
イタリア北部アドリア海で
定期的に発生する異常潮位現象をさして
この言葉を使っています。

 

 

特にこの現象は
この時期11月から2月にかけての時期に発生し,
潟から外界への水の流出を防いでいる風が
普段よりも強く吹くことで、
形の水量が増加し,
そこに満潮が重なることで発生しています。

潮位が上昇する要因として

 

 

1)天文的な要因
天体の運動(月)や他の惑星からの影響)

 

 

2)地理的な要因
湾岸の地形

 

 

3)気象的な要因
風の影響,気圧の変化,降雨量など多くの要素。

 

 

4)ベネチアの方で起こっている地盤沈下の影響
この地域に人間が居住し産業が発達し
潟の水が汲み上げられる様なって
地盤沈下がさらに進行していった

 

 

5)地球温暖化の影響

 

 

1897年と比べ現在まで
23センチ都市が沈下していると
発表されています。

 

 

このままではベネチアの街の
存続を左右する脅威にさらされています。

 

 

温暖化現象によって地中海沿岸は
今世紀末までに約1.5メートル近く海面が上昇すると言われています。

 

 

そうなるとベネチアは本当に
水没してしまう危機にさらされていると
専門家たちは警報を鳴らしています。

 

 

実は2003年から斬新なアイデアで
この水害を防ごうと「モーゼプロジェクト」がスタートしています。

(もうすでに16年も経っているので,
おいおい何年かかるんだよ?と言うのが本音ですが)

 

 

「Mose=modulo sperimentale Elettromeccanico 」
電気機械実験モジュールの頭文字をとったもの

可動式の防波堤で街とラグーンを守ろうと言う計画になっています。
(しかも30年前に考えられた機械システムなので、古すぎるという専門家の意見も)

 

 

当初はかなり期待されていた計画ですが,
実はあまり進んでいないのが現実です。

(これがイタリアタイムというやつでしょうか?)

 

 

その大きな原因がイタリアの汚職だと考えられています。(やっぱり!?)

 

 

2016年にイタリア裁判所による調査で
初期費用が20億ユーロ(約2500億円)になると見積もられていたのに,
すでに65億ユーロ(約8300億円)以上かかっており
少なくともその中の20億ユーロは賄賂に使われたと判明したと報じられました。

 

 

その後警察の取り調べの結果
市と州の当局者が逮捕収監されています。。。

やはりイタリアらしい結果ですよね…(まったく。。。)

 

 

イタリアのニュースで報道されているのは,
先月このMoseモーゼが最終検査をされ
本当は稼働するはずだったのに,
機械の問題があり,
スタートすることができなかったそうです。

インタビューに答えたベネチアの市民は,

もしこのモーゼが稼働できていたならば
今回の被害はかなり防げたはずなのに…
と嘆いていました。

 

 

私も個人的に大好きなベネチアの街。

 

何故かと言うと,
海の上に作られた街で,
これだけ歴史があり,
独特の美しさを持つ街は
世界にここ1つだけだと思います。

 

 

現代の私たちは車社会に囲まれ,
いつも車や電車の音に慣れていますが,
この街に来ると全くその騒音がなく,
まるで中世の時代に
タイムスリップしたかのような
雰囲気を味わうことができます。

 

 

しかも夜は特にロマンチックな街。

 

 

「イタリアは観光するなら、どこが一番おすすめですか?」という
質問には私は一番に「ヴェネツィア!」と答えるほどです。

(え?フィレンツェではないの?とも聞かれますが。。。
もちろん住むならフィレンツェです!)

 

 

イタリアの為だけでなく
全人類のためにも絶対に
保存し後世に伝えていかなければいけない
文化遺産だと思います。

 

 

まだまだ続く11月の雨季。

このベネチアが
また水没しない事を
強く願っています。

 

 

 

<<<<<<<<<編集後記>>>>>>>>>>

 

 

イタリアで傘は買うべからず!

日本に比べて降水量が少ないイタリアですが,
やはりこの時期はとても雨が多く,
朝雨が降っていなくても
突然夕方降ってくることがあります。

 

 

日本からいらっしゃる観光客の方は,
意外と折り畳み傘を持ってこない方が多いことに気が付きました。

 

 

その理由は

「イタリアは太陽の国だから

雨があんまり降らないかと思っていた」とか
「雨が降ったら,お店で買えばいい」などです。

 

しかし,イタリアの傘の現実はそう甘くはありません…

まず日本と違ってコンビニのようなものがないので,
雨が降ってきて,

すぐに傘が買えるかというとそうでもありません。

 

 

不思議な現象として, (日本にはない現象)
雨が降ってくると、突然どこからか
黒人さんがわらわらと現れ,
折り畳み傘や大きな傘やカッパを買え買えと囲まれます。

 

 

なので,観光スポットに入れば, (駅も含め)
黒人さんから傘を買うことができるので,
濡れる事は無いのですが,その傘が問題なんです。

 

 

私も土砂降りのときは傘を持っていなくて,
濡れて風邪をひくよりも買った方が良いと思って
何度か購入した事はあります。

 

 

まず取引が大変…

最初は、相場4-5ユーロしない傘を
10ユーロと言ってふっかけてきます。

 

その10ユーロから「,値引きして」と言って,交渉をします。
(これが長いんです。。。)

 

 

絶対に下げないようだったら、
「もういらない」と言って,
その場を去ろうとすると約半分ぐらいになります。

 

 

しかしそうすると
別の黒人がやってきて,
8ユーロでいいから買えと責められます。

 

 

そうなると最初の黒人さんが怒ってやってきて
「最初俺が売ろうとしたんだ!」
と2人の黒人さん同士で大喧嘩になります。

 

 

その場で立ち尽くす日本人の私…

しまいには,つかみ合い位の
すごい大喧嘩になるので,少し怖い状況に発展。。。。

 

 

ただの時間の無駄…
と労力の無駄。。。

と言うことで,
凄く疲れ果てて、傘をゲットすることになります。

 

問題は,この傘が「すぐに壊れる!!」

少しでも風が吹いていると,
2分足らずで,半分の傘の骨が折れてしまい,
使い物になりません。

 

しかも日本の軽量で
小さな性能の良い傘と比べると,すごく大きくて重い…

結局1回使って壊れてしまい
「これって使い捨てだったの?」と
思う位無駄な買い物になってしまいます。

 

 

ですのでもしイタリアに来られる場合は,
日本の500円位で売っている安い傘でも
軽量でとても性能が良いので
日本から持ってくることをお勧めいたします。

私も日本に帰るとそれを5本ぐらい買って帰るようにしているんですよ。

 

 

それでは
寒い季節柄どうぞご自愛下さいませ。

本日も長い文章を最後まで読んでいただき
心より感謝申し上げます。

Grazie Mille!