最近良くなったとは言いつつもまだまだ要注意! イタリアの電車事情
2019年1月メールマガジン
Buon Giorno!
ボンジョルノ!
おはようございます!
フィレンツェ観光ガイドサービス&
ブライダルフローレンス(海外挙式プランナー)
代表 片庭未芽(カタニワミメ)です。
今日も開封していただき、誠に有難うございます。
寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れまして
大変申し訳ございません。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
フィレンツェは1月後半に入り、
底冷えのする寒さが続いておりますが
冬晴れの良いお天気となっております。
皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
今年2019年の最初のメールマガジンのテーマは
イタリアの電車事情についてご案内したいと思います。
昔はイタリアでは公共機関(電車、バスなど)には
なるべく乗らないほうが良いと
言われてきました。(遅延、ストライキの理由で)
しかし、最近はイタリアも昔と比べると、
とても電車も遅延が少なくなり、
車内も綺麗で、サービスも充実していて
日本人観光客の方にも
安心して使えるようになってきました。
特に、イタリアの新幹線である
freccia rossa (赤い矢)は、
イタリアの主要都市(ローマ、ミラノ、フィレンツェ、
ヴェネツィア、ナポリ)を
繋いでいて、
観光で各都市を回る観光客にとっては、
一番楽で快適な移動の仕方と言われています。
例えば、イタリアの首都であるローマから、
フィレンツェまでは、
1時間27分で移動でき、
1時間に多いときは3ー4本ほど走っています。
(ローマーフィレンツェ間の距離は300kmほどあり、
車で移動すると約3時間はかかるので、
電車の方が断然便利です)
イタリアの鉄道は、
今現在alta velocita’=新幹線は私鉄となりましたが、
昔は日本のように国鉄でした。
(ferrovia dello stato=国鉄)
イタリアの鉄道は大きく分けると
Alta velocita’=高速電車
Intercity=準高速電車
Regionale =普通電車
の3つに分けられています。
この中では、観光客の方が良く利用するのは、
高速電車 alta’ velocita’です。
高速電車の中でも3つのカテゴリーに別れていて、
赤い矢freccia rossa=日本でいう「のぞみ」
銀の矢 freccia argento=「ひかり』
白い矢 freccia bianca=「こだま』
となっています。
上記の赤い矢freccia rossaは、
最高時速360キロまで走ることができ、
外観も赤でカッコ良く、内装も日本の新幹線よりも
オシャレにデザインされています。
ちなみに、この設備には日本の日立グループの
技術が利用されているそうです!
(日立レールイタリア社)
車内もとても清潔で綺麗で、
日本と違うのは、車内レストランがついていて
(車両によってはレストラン無いタイプもありますが)
車窓から美しい景色を見ながら
イタリア料理を食べられます。
(といってもそんなに美味しいメニューではありませんが。。。
高速道路のサービスエリア的な電子レンジでチンするタイプのお食事です)
日本からでも旅行代理店にわざわざ頼まなくても、オンラインで
予約ができ、さらに、早めに予約すると
早割=super economy料金が適用されるので、
50%オフぐらいの値段で購入することができるんです。
もし、イタリア旅行が決まったら、
フライトと宿泊ホテルを決めた後には、
ぜひ、この電車予約を早めにすることをお勧めいたします。
ただし、もしこの早割を購入してしまった場合は、
一切変更、払い戻しはできません。
良くあるのが、日にちを間違えて購入してしまった場合は、
変更ができませんし、チケットの時間を変えたくても
早割で購入されてしまった場合は、
時間変更もできません。
正規の運賃で購入された場合は、
乗り遅れた場合でも
2時間後までにチケット売り場で電車変更すれば、
一切プラス料金を払わずに、電車変更が可能です。
もし、旅程に余裕を持たせて、臨機応変に日時を決めないで
移動されたい自由人の方は、
正規運賃で購入される方がベターです。
でも殆どの日本人観光客の方は、
回りたい都市を予め決められて、
宿泊施設も予約されてご出発されるので、
あまり移動する日時を変更することは少ないですよね。
オンラインで電車チケットをお考えの
方は、日時や、料金のタイプを確認して購入するようにしましょう。
日本と違うのは、自由席が一切ありません。
全席指定となっているので、週末や金曜日、バカンス前後は
全席売り切れということもあり得ます。
良くお客様の中で、
「駅にいって購入します」という方もいらっしゃいますが、
その日の高速列車は全部売り切れなんていう
サプライズもあり得るので、
(特に大きなコンサートや、展示会などがあるときなど)
日本ご出発前にチケットは購入しておくことを
お勧めいたします。
そんな私も何度かミラノの展示会最終日に
チケットが売り切れてしまっていて、
途方にくれたことが何度かあります。。。
ここまではイタリア鉄道の種類や、
購入の仕方についてお話ししてきましたが、
お客様から、
「イタリアの電車は良く遅れると言われるのは、
本当なんですか?」という質問があるので、
これにお応えいたしましょう。
答えからすると。。。。
「日本より遅れが多い」のです。。。
イタリア時間と言われるほど、
40分ぐらいの遅れでは「遅れ」とみなされません。
日本で40分も電車が遅れたら大変なことですよね。。。
日本のように、駅員さんが「謝罪する」なんてこともあり得ません。
チケットは早割でなければ、
40分以上の遅延の場合は20%の返金があります。
ただし当日ではなく、24時間後から返金されます。
オンラインで購入された方は、
webサイトから購入に利用されたクレジットカードに
一部返金されるので、わざわざ駅の窓口で並ばなくても
日本に帰国されてから返金手続きを行うことができます。
(ちなみに60分以上は25%返金があります。)
ですので、イタリアで電車の行程プランを組むときは
40-60分の遅延を考えておくようにしましょう。
良く、予定を詰めすぎて、
電車が遅れ、美術館や、フライトの予約に
間に合わなかったというお客様も多いです。
私の体験談では、
フィレンツェからアンコーナに行くときに
その電車が180分遅れと表示されていて、
「エー?3時間遅れって?そんなことあり得る?」と思っていたら、
1時間過ぎた辺りで
その電車が「キャンセル」になってしまい、
とうとうその日にはアンコーナに
行けなくなってしまったということも有りました。。。
後で聞くと、ローマで大停電があり、ローマを通る電車は
殆どキャンセルになったという事件だったそうです。
イタリアに来たら、「イタリア時間」があると思って移動されるのが
コツですね。
もう一つ良く日本人の方が利用されるのは「Itaro」イタロという
ワインレッド色のこれも素敵な高速電車があります。
イタリアで初の100%民間経営としてデビュー。
かの有名なイタリアの高級車フェッラーリ社と、
有名ブランド「tod’s」社が
出資して誕生したので、その外観とお洒落な内装に惹かれ
観光客には人気の電車です。
もちろん、イタリアに来られるのですから、
この有名なイタロに乗るのはいいのですが、
一つだけ注意が必要なのは、
イタロはfreccia rossaと比べて
本数が少ないので、
もし電車がキャンセルや
かなりの遅延になった場合は
次の電車に変更するのが、難しいのです。
(変更はできますが、2-3時間待たないと次の電車がないとか)
その点freccia rossaの場合は
1時間に3本ぐらいは(ピーク時)でているので、
変更がしやすいということも有ります。
一度、フィレンツェからボローニャの会議に行くのに、
1時間前に到着するイタロに乗ったら、
エンジン故障で電車が1時間以上の遅延となり、
次の電車に変更しようと思ったら、
2時間後の出発しかなく、
仕方ないので、
15分後に出発するfreccia rossaのチケットを
再度購入せざるおえなくなったことがあります。
その事件以来、私はなるべく、
仕事で行く場合はイタロではなく、
Freccia rossaを使うようにしています。
最後にお客様から良く「一等車と二等車、
エグゼクティブクラスのどれがいいのですか?」
という質問があります。
1等車は座席も広く、ゆったりとしていて
車内サービスもあり、オススメです。
2等車は1等車よりも広くはありませんが、
日本の新幹線の座席ぐらいの幅はあります。
昔は「2等車」を進めていました。
なぜかと言うと
「1等車にはセレブが多いので、
盗難が良く発生する」と
言われていたからです。
ところが最近イタリアの駅も
セキュリティーが強化され、
主要都市(ミラノ、ローマ、フィレンツェなど)は
電車チケットがないとホームに入って来れないようになりました。
ですので、以前と比べれば安全にはなりましたが、
それでも置き引きは絶えないので、
絶対に貴重品からは目を離さないように
お気をつけください。
<<<<<<<<<編集後記>>>>>>>>>>>
私の電車ハプニングは話せばキリがないですが、
中でも壮絶だったのは、上記でお話しした高速電車でなく
「恐怖!regionale普通電車」です。。。
フィレンツェからピサに向かうregionale 普通電車は
8:30出発ということでしたが、
案の定10分経っても20分経っても出発しません。
「また遅れてるこの電車。。。」
とイライラし始めた私。
「でも大丈夫。待ち合わせの時間よりも1時間30分前につくように出たから」と
思っていました。
突然、女性の車掌がドアを開け「この電車は故障のために、出発できません」
と言いに来ました。
「まったく、だからregionaleは怖いんだよね。。。」
と思いつつ、すぐ次の電車が出発するという事だったので、
ホームを走り、電車を乗り換えることができました。
無事に出発することができて、ホッと安心したのもつかの間。。。。
「キキー!!」と物凄い急ブレーキを踏んで
突然順調に動いていた電車が停まってしまいました。
「何かあったに違いない・・・」
5分経っても10分経っても動かない電車。。。。
乗客達はザワザワし始めました。
20分ぐらい経った後、やっと車内放送が。。。。
「この電車は犬を轢きました。
その際に水管系統が故障し、この電車は出発することができません」
その時のイタリア人乗客の反応は、
遅れたということに怒りをぶつける人は誰もいなく、
「犬は大丈夫なのか?かわいそうに、死んでしまったのか?」
犬の安否を心配している方が先立ったようで、
「イタリア人は本当に犬好きなんだな」と思わされました。
私は逆に「もう、約束の時間には間に合わない。。。。!」
とかなり焦り、直ぐに関係者に連絡を入れ始めました。
結局、40分後には、
後から来たインターシティーが止まらない予定だった駅で止まってくれて
全員の乗客を無事にピサまで連れて行ってくれました。
結局、1時間30分以上待ち合わせに遅れてしまいました。
ということで高速電車よりも
普通電車はもっと余裕を持って日程を組むようにしましょう!