貴方の使っているオリーブオイルは 実は偽物!?
メールマガジン5月2018年
イタリアは5月後半に入り
急に真夏日となり、
30度以上の最高気温を記録する
今日この頃となっております。
フィレンツェのミケランジェロ広場
下にある
Giardino Delle Rose
ローズガーデンは
薔薇の花々が満開で、
妖麗な薔薇の香りが充満して
人気の穴場観光スポットとなっております。
皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
さて、今日のメールマガジンのテーマは:
「貴方の使っているオリーブオイルは
実は偽物!?」
という恐ろしい題名ではじまります。。。
私はイタリアでも
指折りの美味しいオリーブオイルの産地
トスカーナ州フィレンツェ在住で
親戚もワイン&オリーブオイル
農家なので、
毎日、「叔父さんの家から採れる
無農薬&100%トスカーナ産の
美味しいオリーブオイル」
を我が家では使っております。
日本の実家にも
帰国の際には
その「美味しいオリーブオイル」
をお土産に持って帰るのですが。。。
去年、母がデパートで購入したという
オリーブオイルを、日本で使っているのを見て、
私も試食してみました。。。。
「これ、オリーブオイルの味がしない!!!」
化学的な味。。。。
オリーブオイルの香りもしない。。。。
大体、全然美味しくない!!
のです。。。
しかし。。。。
日本在住である
私の両親や、兄弟には
全くその違いが分からないという事にも
気が付きました。
それもそうですよね。
例えば、
イタリア人にとって
イタリアにある「なんちゃって日本レストラン」
(中国人経営= 利益重視)
で使われている
お醤油は
約3倍に薄めた: (別に減塩醤油ではない!)物で
私にとっては、「これ薄めてある!」
と直ぐに分かりますが
イタリア人の友人には、その違いが
全くわからないのです。
(もしくは、反対に、賞味期限が切れて、
かなーり
濃い味になって、古くなった醤油を
出すレストランもあります)
それと一緒で
日本人にとって、オリーブオイルが
本物か偽物かって、
とても判断し難いと思います。
最近のご家庭では
オリーブオイルを使われている方も
多いのではないでしょうか。
オリーブオイルの消費量は
日本でもかなり多くなりました。
しかし!
数年前からオリーブオイル偽装事件が発生していますよね。
なんと、日本で売られているオリーブオイルの80%は偽物!
「エー!?
じゃあ、もうオリーブオイル
買えないじゃない!!」
と諦めるのはやめましょう。
どんなオリーブオイルが品質が高く、
安全なものなのかわからずに困っている方は
大勢いらっしゃるかと思います。
そんなお悩みの解決に役立てれば幸いです!
今回は、オリーブオイルの偽物と
本物を見分ける方法をお教えします!
<見分け方チェック>
①たくさん入っていて、安い物は避ける
②値段が高いからと言って、本物とは限らない!
③酸度、色もあてにならない!
④銘柄をチェックする
①たくさん入っていて、安い物は避ける
スーパーやデパートで見かけるオリーブオイルですが、内容量のわりに安かったり、反対にものすごく高価なものがあったりしますよね。
500mlで500円未満だったり、1万円を超えるものがあったり・・・。
「高いもののほうが、品質はいいんだろうな」
と思いがちですが、実際は値段で決めて選ぶのも正しい選び方とは言えないそうです。
それは、輸入業者の仕入れ価格と、店頭での小売価格の関係で値段が決まるため、品質と値段は無関係だからだそうです。
しかし、さすがに大容量で数百円というのは安すぎて、怪しいニオイがプンプンしますよね(笑)
例えば、スペインのお店では、高品質のオリーブオイルでも500mlが千数百円程度で販売されています。
これを輸入して日本で販売するなら、生産者や販売者の利益、輸送費や様々なコストを考えても、おそらく3000円~6000円程度にはなるそうです。
たしかに、よくよく考えてみれば、エキストラバージン・オリーブオイルなんて「最高級のオリーブオイル」と言われるものがですよ?
産地はイタリア、スペインなどのものなのに、スーパーで大容量で数百円!で売られているというのがおかしな話ですよね!
なので、たくさん入っているのに数百円などで安く売られているものは避けたほうがいいでしょう。
反対に、バカみたいに高額で売られているものも、本当に本物のエキストラバージン・オリーブオイルなのかは怪しいものです。
プロでも、もはやボトルを見ただけでは本物かどうか見極めるのは難しいそうです。
というのも、ボトルに表記されていることが嘘のこともあるからです。
原産国表記も信じられない!?
日本の法律では「ボトル詰めされた場所が属する国が原産国」ということになっているのだとか!
そのことに驚きです。
つまりそれは、本当はイタリアで作られたものではないのにイタリアでボトル詰めさえすれば、「イタリア原産」と表記していいいということ。
実際に、イタリアで生産されているエキストラバージン・オリーブオイルの生産量は、国内消費量や輸出量よりはるかに足りていないのだとか!
これは、他の国からオリーブオイルを輸入して、イタリア国内でボトル詰めして、イタリア産として販売しているということです。
私の知り合いの
オリーブオイル農家は
「儲け主義」で
イタリア産以外、主にアフリカ産の
オリーブを輸入して
イタリアで抽出して
「イタリア産オリーブオイル」
として輸出していたのが問題で
トスカーナオリーブオイル組合から
訴訟されたとか。。。
私たち消費者は、ボトルに表記されている情報を信頼して
商品を購入するのに、ひどい裏切りを感じますよね。
②値段が高いからと言って、本物とは限らない!
「高価なもの=質がいい」
私自身もそうですが、消費者側からすると
そのような考えをもたれる方も多いですよね。
それはその通りなのかもしれません。
しかし、オリーブオイルに関してはそうは言えません。
エキストラバージン・オリーブオイルの品質偽装が
行われるようになったキッカケは、儲けをたくさん上げること。
安い商品で儲けをたくさん上げるには、膨大な量を売らなければいけません。
それに対して、ちょっと高めのお値段に設定した商品であれば、少ない量でも利益は大きくなります。
そして消費者である私たちは、品質を重要視します。
そこに、品質偽装を企む人たちがつけこんでくるわけですね!
「まぁまぁ高価なオリーブオイルなら、そんなにひどくはないだろう」
という消費者心理を利用して、実際はそんなに質のいいものではない商品に対しても、少し値を上げて販売してくる人たちもいるのです。
売り場には、オリーブオイルの専門家なんていないですし、
私たちが商品を選ぶ手段はラベルなどの表記だけ。
なのにそのラベルは嘘だらけ。
いったい、なにを信じていいのかわからなくなってしまいますよね。
③酸度、色もあてにならない
国際オリーブ理事会(IOC)という国際機関があります。
そこが定めているエキストラバージン・オリーブオイルの規格は、酸度は0.8%以下のもの、となっています。
エキストラバージン・オリーブオイル
最高品質 酸度0.8%以下 風味欠陥なし
バージン・オリーブオイル
酸度2.0%以下 風味若干の欠陥あり
オーディナリーバージン・オリーブオイル
日本では非食用 酸度3.3%以下 風味欠陥あり
ランパンテ・バージンオリーブオイル
非食用 酸度3.3%超え 風味欠陥あり
このように、上から下へと品質は下がっていきます。
酸度のチェックは「理化学的分析」、風味欠陥があるかどうかのチェックは、
人が実際にそのオイルを食して風味を鑑定する
「風味官能検査」によって行われます。
こうしたチェックがきちんと行われていれば、
偽装オイルなんて生まれることはなかったはずです。
なのに、いつの間にか「風味官能検査」が
しっかり行われなくなってしまい、
品質の悪いオリーブオイルが
「最高級のオイル(エキストラバージン・オリーブオイル)」として
出回るようになってしまったそうです!
その根底には、利益を求める人間の私欲がはびこっていました。
そこにも書かれていますが、色がキレイな
グリーンだからといって、品質がいいとは限らないそうです。
色と品質はまったく関係ないのだとか!
オリーブオイルを選ぶのに重要なのは、色ではなく、”風味”なのだそうです。
④銘柄をチェックする
国際機関のチェックも管理も酷く、
偽物のエキストラバージン・オリーブオイルが出回るようになってしまい、
日本でもスーパーなどに売られているものはほぼ偽物だらけ。
表記に記載されていることも嘘ばかりで、
一体なにを頼りに安全なオリーブオイルを選べばいいか、
わからないですよね。
そこで一番大事なのが、
銘柄をチェックすること!
ワインや日本酒を選ぶときのように、オリーブオイルでも
銘柄をチェックするといいそうです!
とはいえ、オリーブオイルの銘柄ってどんなものが
あるかさっぱりわからない・・・。
でも、大丈夫です!
銘柄に詳しくなれるとても簡単な方法があります。
オリーブオイル品評会の結果発表をチェックすること!
これが一番正確で手っ取り早い方法です。
世界各地でオリーブオイルの品評会が行われています。
日本でも2012年から『OLIVE JAPAN』という
国際オリーブオイルコンテストが開催されるようになりました。
そこには世界各地から何千品もの応募があり、
オリーブオイルソムリエ協会が優秀なオイルを選別するものです。
審査結果は最優秀賞、金賞、銀賞と分けられるそうですが、
銀賞くらいでももちろん品質は安全安心なもので、
素晴らしいオリーブオイルなんだそうです。
『OLIVE JAPAN』の目的は?
このオリーブオイルコンテストが行われるようになったのには、2つの理由があります。
①日本でも偽物のオリーブオイルが出回っているのに対して、
消費者が一体どのような商品を選べばいいか、
はっきりした基準が提供されていないこと
②主要なオリーブオイルの消費国の中で、
日本だけがコンテストが開催されていなかったが、
日本の消費者は本当の品質を強く求めている、
そのことを海外の生産者や販売者に知ってもらい、
日本市場の重要性をアピールするため
なんだそうです。
ですから、このコンテストに参加する生産者たち、
審査をする側も真剣そのものです。
ガチの本物のオリーブオイルコンテストが、『OLIVE JAPAN』なんです。
輸入や販売など、利益や収入に関わることがなく、
ただ”本物のオリーブオイル”を選ぶコンテスト。
”偽物ばかりでなにが本物かわからなくなっている私たち消費者のためのコンテスト”と言っても過言ではないのではないでしょうか。
オリーブオイルソムリエたちが厳しい目で公平に
審査するものなので、そこで賞をとったものたちは確実に本物です。
『OLIVE JAPAN』で受賞したオリーブオイルをご紹介!
2017年受賞品
PREMIER MEDAL デリケート部門
Jeronimo Abreu e Lima
Magna Olea(ポルトガル)
MOLI D´OLI GABRIEL ALSINA i FILLS
OLICASTELLO(スペイン)
Lucero Olive Oil, LLC (輸入代理店 : 74 cabotte )
Lucero Ascolano Extra Virgin Olive Oil(アメリカ)
PREMIER MEDAL ミディアム部門
AZ. AG. COSMO DI RUSSO (輸入代理店 : 株式会社ヴィンテージ1)
DON PASQUALE – DOP COLLINE PONTINE(イタリア)
AZIENDA AGRICOLA DONATO CONSERVA
MIMi(イタリア)
azienda agricola Leuci
Coratina (leuci).(イタリア)
ACEITES EL DORADO S.L. (輸入代理店 : 株式会社アミューズ)
El Dorado Black Label(スペイン)
ACEITES NOBLEZA DEL SUR (輸入代理店 : オリヴィーノ・ラ・コシナ)
ARBEQUINA PREMIUM(スペイン)
RAFAEL ALONSO AGUILERA,S.L (輸入代理店 : レイナ株式会社)
オロ・デル・デシエルト クパージュ(スペイン)
** ACEITES EL DORADO は、生産者及び輸入代理店の2社から出品され、両方とも最優秀賞のダブル受賞です。
PREMIER MEDAL ローバスト(スパイシー)部門
ACEITES CAMPOLIVA S.L. (MELGAREJO) (輸入代理店 : オリーバル株式会社)
MELGAREJO COMPOSICION PREMIUM(スペイン)
CASTILLO DE CANENA OLIVE JUICE SL (輸入代理店 : EUROPASS)
FIRST DAY OF HARVEST PICUAL(スペイン)
MARTIN DE PRADO EVOO
Blend PRIMICIA(スペイン)
詳しくはこちら:
http://olivejapan.com/contest/2017-winners
こう見ると
イタリア産の
オリーブオイルは
最優秀賞には
あまり選ばれていないですが。。。
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オリーブ収穫は
イタリアでは11月頃に
行われる毎年恒例のものです。
結構11月は
雨が多いシーズンで、
寒さもまして来るので、
オリーブ収穫は
ブドウの収穫に比べて
かなーり辛い労働になります。
「オリーブ収穫ってどうやってやるの?」
という質問ですが:
現在は2種類あります。
- 大量に短期間で収穫するために、機械を使って振り落とす
- ピンセットの様な道具を使って枝一本一本、撫でる様に収穫して行く
結構大変な作業ですし
危険も伴います.
特にこの収穫時期は
救急病院が
「オリーブ収穫労働者」
で一杯になるそうです。。。
収穫用のハシゴから落ちたり
なんと
オリーブの尖った葉で
目を傷つけたり!!
というリスクの多い
収穫なのです!